「かわいすぎて、つけてるだけでテンションが上がる。」
「パッと華やかになる。女性であることを楽しませてくれる存在。」
今回、オーハタパールの真珠を使い、新しいパールの可能性を引き出すアクセサリーのデザインをしたのが、アクセサリー作家COQUETTE(コケット)、帯刀沙樹さん。
大分を代表するアクセサリー作家と言えばというとき、必ずその1人として名前が上がる存在です。
ネット販売では1分で売り切れも。多くから声がかかる人気作家
「アクセサリーを作り始めたきっかけは、子ども3人の出産を経て、家でできる仕事はあるかなって考えたことなんです」と笑う帯刀さん。この日は、COQUETTEのアトリエにお邪魔してお話を伺いました。
最近では、百貨店や雑貨店などでの委託販売、マルシェへの出店など、多くの場所からかかる声に応え、販売経路が増えてきました。ネットで定期的に行う一斉販売では、人気なものは1分ほどで売り切れてしまうといいます。
女性らしさを引き出すような空気。身に付けると心躍る
アクセサリーの魅力はやはり、存在感にあります。
大ぶりなもの、デザインにいい意味での主張があるものが多く、身に付けることで心が躍ります。
「元気をもらえるとよく言っていただけて、それがうれしいです。結婚式でつけたとか、デート用に買うとか、大切な日に使うと言ってくださる方もいて、やりがいになりますよね。」そう帯刀さんは語ります。
本当に多くのデザインがあるのに、一つ一つにCOQUETTEらしさを感じるのが不思議です。あえて言葉にするならば、女性らしさを引き出すような空気感。それがつける人の自信をいつもより少し多く溢れさせるのでしょう。
きっかけ。専業主婦としての生活で生まれたもやもやした感情。
アクセサリーを通し、多くの女性に自信と笑顔を届けてきた帯刀さん。かつては、ホテリエとして働いており、アクセサリー作家として活動することは考えたこともなかったそうです。
変化のきっかけとなったのは出産。まず、1人目の出産を機にホテルを退職します。そして2人の子宝に恵まれ、その後3児の母となり専業主婦としての生活を送っていました。
いつからなのか、帯刀さんの中に「もやもやした感情」が育っていきます。
「子どもと家にいると、話相手もいないじゃないですか。家事をしても誰も褒めてくれない。別に、褒めてほしくて家事をするわけでも、子どもを産んだわけでもないんですよ。でも、認められていない孤独のようなものをつい感じてしまって。3人の子どもを産み終わった時点で、私、28歳だったんです。このまま家にいて、ぼーっとしていくのかなって、思った。自分の中にね、過信のようなものがあった。私は、自分をまだ信じていたかった。まだ、できることがあるでしょ。なにぼーっとしてんの?って思ったんです。それで踏み出した。」
ちょうどその頃、手作りの作品を販売するアプリが流行り始めていました。手作りをすることも、アクセサリー自体も好きだった帯刀さんは、自分にもできるかもしれないと考え、アクセサリーの制作と販売を始めました。それが7年前のこと。
アクセサリー作りが人生を変えた。
アクセサリーを作り、販売するようになって、がらりと日々が変わったという帯刀さん。
「出会いが本当に広がっていきました。はじめはアプリで販売していましたが、マルシェへの出店をきっかけにリアルなつながりがどんどん広がって。誰とも話さなかった専業主婦だったときから考えると…ほんとに変わりましたよね。アクセサリーを通して、世界が広がりました。」
帯刀さんは、イベントへの出店や、店舗を周り、そして3人の子育てをしながら、制作はほぼ毎日欠かさず行っています。
「長い時は、1日12時間作ることもあります。でもね、苦しいと思ったことはないんです。全部自分が選んだ好きなことだから。眠たいとか、疲れたとかはあるけど、それも全部やりたいことの中にあるんです。」
自分のかわいいが、誰かに伝わる瞬間。それがうれしい。
「日本だけだって、これだけ人口がいるんだから、1人くらい認めてくれる人がいるはず」と、自分が好きなもの、自分の心が躍るものを作ることを大切にしています。
「強いて言うなら、ペルソナは私です。主婦であり、30代であり、おしゃれを楽しんでいる私。そんな女性が輝けるものを作りたい。」
みんなに認められることを目指すと結果的にどこにでもあるもの、誰の心も動かさないものになってしまう。たった一人、帯刀さんの心が躍るものを作る。それが結果的に、多くの女性の心を踊らせるものになっている。
山ほどあるうれしい瞬間の中でも、一番のワクワクポイントについて質問してみるとこんな答えがかえってきました。
「やっぱり、私のかわいい!と誰かのかわいい!が一致したときですね。かわいいアクセサリーができて、それを誰かもかわいいって思ってくれる。それって、私のかわいいが、誰かに伝わるってことじゃないですか?」
真珠との出会い。今あるパールの概念をいい意味でまた変えてみたい。
そんな帯刀さんが、オーハタパールの真珠と出会ったのは昨年の7月のこと。TOKIWAプリーマの担当者を通じて佐伯のオーハタパールの店舗を訪れ、大分で作られている真珠のことを初めて知ります。
「大分でも真珠が作られていることは知っていました。でも、実際何も知らなかったんだなと。歴史、真珠ができるまでの工程、川の話、海の話。佐伯の綺麗な川から上質なプランクトンが生まれ、海に流れて、貝はそのプランクトンを食べて成長する。知らなかった素敵なストーリーばかりで。
この良さを、皆様にもお伝えしたい。今あるパール、真珠の概念をいい意味で変えてみたい。心からそう思いました。」
つながることで生まれる、新たな縁。
本音を言うと、帯刀さん自身、真珠に対しては冠婚葬祭のイメージが強く、まだ自分には早いという感覚があったそうです。しかし、オーハタパールの真珠に触れ、印象は大きく変わりました。
「こんな綺麗な真珠ができるんだ!本物の輝きはぜんぜんちがう!生き物なんだ!」触れてこなかった真珠という、本物の素材。
帯刀さん自身が、アクセサリーが生んでくれた縁をきっかけに、日々が変わり、世界が変わって見えた。次は、「オーハタパールさんとつながることで、新たなる縁を生み出したい。」
大きなプロジェクトに震えるような興奮を覚えつつ、それでもCOQUETTEらしく、帯刀さん自身の信じる「かわいい」を大切にアクセサリーをデザインします。きっと帯刀さんの、ワクワク、かわいい、驚き、発見の気持ちは、手にしてくださるお客様に伝わるはずです。