燻製屋kunkun|週末のとっておき。自分へのご褒美、燻製ナッツ

燻製屋kunkun|週末のとっておき。自分へのご褒美、燻製ナッツ

週末のとっておき。自分へのご褒美、燻製ナッツ

「金曜日の夜に食べたくなるおつまみ」をコンセプトに燻製ナッツを作っている燻製屋 kunkun。定番燻製ナッツの種類は16種類。週末に向けて頑張った自分へのご褒美として、「さぁ飲むぞ!」という時に、お酒のおつまみとして食べてもらいたい。燻製ナッツを作っているのは、大分県佐伯市の就労継続支援B型事業所太陽農園。
事業所の目的は『利用者さんの仕事を作り出すことを第一に、社会生活のサポートを行うこと。』と太陽農園の代表・柴田さん。「また食べたい」「やみつきになる」など実際食べた感想をもらうことが利用者さんの自信に繋がっていると優しい笑顔で話してくれた。


 

燻製ナッツとの出会い

なぜナッツを燻製しようと思ったのか。それは、柴田さんが大学を卒業して最初の就職先で出会った先輩から燻製を教えてもらったことがきっかけ。そこから柴田さんは燻製の魅力に引き込まれ、自分なりにアレンジを重ね趣味で作り続けていた。『お酒が好きだったので、おつまみを自分で作るのが楽しかった。』商品化に繋がったのは利用者さんとの何気ない会話の中で『おつまみはピーナッツが好き』という一言を聞いたことがきっかけ。後日柴田さんが趣味で作った燻製ナッツを持って行き、利用者さんに食べてもらったら喜んでくれた。『昼間から、堂々と自分たちの好きなおつまみを作れたらいいよね』という遊び心から商品化してみようと作り始めたのが7年前のこと。何気ない会話から商品として誕生した燻製ナッツ。このエピソードを聞いていて、柴田さんと利用者さんの良い関係性があったからこそ、kunkunの燻製ナッツは誕生したのだろうと感じた。
燻製屋kunkun

 

人気が加速。コロナ禍が後押し

燻製屋kunkun

今では、大人気のkunkunだが時期によっては受注にムラがあった時期も経験した。そんな苦しい期間を経て、転機となったのはコロナ禍。イエ飲みが流行し、自宅で気軽に楽しめるおつまみの需要が高まったことで、人気が一気に加速。『昨日あんなに作ったのに、今日もたくさん作らないと!』という状態になったと当時の様子を懐かしそうに振り返るのは工場長の加藤さん。たくさん受注が入ることが、利用者さんの喜びとなり『また作らないといけないのかぁ』というマイナスの雰囲気ではなく、『もっともっと作りたい!』『早く工場に行きたい!』という明るい空気感に工場が包まれるようになった。

 

新たな燻製ナッツが誕生する瞬間

kunkunの燻製ナッツは種類が豊富なことも人気の一つではないだろうか。「あーこれもいいな」「次はあれも食べたい」と選べる楽しさ。また、季節限定やイベント限定の商品もある。新作の味ができるのはどんな時か工場長の加藤さんに聞いてみた。なんと新作のヒントは夢の中に出てくるのだという。『夢の中でも作っているんですよ。本当に作ることが好きなんだと思います。』と嬉しそうに語る加藤さん。早く作りたいと思い眠れないほどで、思いついたヒントを早く商品に反映するため、すぐに利用者さんと材料を調達し開発を始める。夢の中でもナッツを作り続ける加藤さん。照れくさそうに、ナッツへの熱い想いを語ってくれた。

 

自分たちがやってきたことは間違いなかった

燻製屋kunkun

燻製ナッツの製造にあたっている利用者さんは、Instagramでのお客様からのコメントを加藤さんが見せるととても喜んでくれる。トキハ本店での取扱いを始めた頃、実際の売場の写真を見せた際には、『トキハ本店で自分たちが作ったナッツが整列している姿を見て感動していた。』と加藤さんは当時を振り返る。“多くの人に手に取ってもらえる。必要とされる。”その喜びを利用者さんと分かち合った。
昔は太陽農園に通っていることを隠している方や、取材を嫌がっていた方も多かったが、燻製ナッツのTV取材を受けた頃から、みんなが意欲的になっていった。レクリエーションでどこに行きたい等、要望が次々と出て何ごとにも積極的な姿勢が見受けられるようになった。燻製ナッツが売れることで誰かに必要とされていると感じ前向きになれた。売れることで工賃も上がり、生活水準も上がる。利用者さんの暮らしに好循環が生まれる。『嬉しい。自分たちのやってきたことは間違いなかった。』と柴田さんと加藤さんは振り返りそう語る。

 

笑顔と笑い声が溢れる太陽農園

燻製屋kunkun

『みんなが欲しいと思っているものを生み出していきたい』という、柴田さん。社会福祉法人だからという理由で商品を買ってもらうのではなく、味で勝負したい。受注がたくさん来るということは、お客様から必要とされていること。一回きりでは意味がない。継続して販売できることで、利用者さんの安定した収入にも繋がる。
kunkunの利益は利用者さんにすべて還元される仕組みだが、収入に繋がるからと言って、利用者さんや職員に無理を強いることはしたくない。無理をさせてしまい、職員が残業をするのでは本末転倒。自分たちのできる範囲で、楽しみながら作ることを大切にしている。
店頭に納品をする際に、お客様の声が変化してきているのを肌で感じるという。認知度が上がって「これ何?」から「あー佐伯の!」のような反応に。そして利用者さんの自己肯定感も上がっている。商品をきっかけに、実際に太陽農園を訪れる方が増えた。Instagramをきっかけに福岡や奈良から足を運んでくれた方もいた。事業所内に店を構えたことで、利用者さんと外の人との繋がりが生まれた。利用者さんが身なりに気を遣うようになり、挨拶が盛んになるような変化も生まれた。『こういう社会福祉の施設に、一般の人が来ることってないんですよ。だけど商品をきっかけに利用者さんが人と出会うきっかけづくりになっている。ありがたいですよね。』と語る柴田さん。取材に訪れた際にも太陽農園には笑顔と笑い声が溢れていた。利用者の皆さんが誇りを持って商品づくりに向きあっているのだと感じた。
2023年9月には、県知事も訪問。商品を知ってもらうことで、社会福祉施設としての困っていることを知ってもらう機会が増え、改善に繋げられることも多くあった。

 

ある人物との出会いで更なる変化が

燻製屋kunkun

kunkunとトキハを結びつけた人物も今回の商品開発の主人公の一人だ。その人物とはオフィスコマイヌの吉田さん。今回kunkunとオフィスコマイヌそしてトキハの三者で商品開発を行った。オフィスコマイヌとは、一言で例えるなら「地域商社」のような存在。企業と業者を結びつける役割を担っている。吉田さんが柴田さんと出会ったのは、2021年5月頃。kunkunがとあるイベントに佐伯市と共に出店しており、そこで吉田さんが声をかけ、トキハへの出店に繋がった。

 

地域商社から見たkunkun

燻製屋kunkun

これまで大分県の商品をより多くの人に知ってもらうために活動をしてきたと語る吉田さん。その中でずっと探していたがなかなか見つからなかったのが大分産のおつまみ。きちんと大分の素材を使用したお酒に合うもの、おつまみ、珍味がないものかと探していた時に、kunkunに出会った。大分県産だけど大分という冠だけを全面に出さずに、味でしっかりと勝負している姿に感銘を受けたと言う。商品パッケージの裏面を見たら、作っているのは社会法人だとわかるが、そこをアピールしていないkunkun。その姿が福祉のあるべき姿ではないかと吉田さんは感じている。「商品を卸すことが、利用者の皆さんの収入に繋がる。自分もそこに関わっていることが嬉しい。」とちょっと照れ臭そうに語る吉田さん。kunkunのひたむきに真っすぐに、利用者の皆さんと挑戦を続けている姿に、今だからこそkunkunと共に「大分土産と言えばコレ」「これぞ大分」という商品を作るタイミングだと思い、今回TOKIWAプリーマでの商品開発に至った。

 

kunkunが目指す今後

燻製屋kunkun

大人気のkunkunは、これからも挑戦を続けていく。今の自分たちの取組みをモデルケースとして、全国に広げたいと語る柴田さん。利用者さんの収入が安定して確保できるようなノウハウや基本の製造方法などを伝授し、その土地その土地にあった方法でうまく活用してもらえるようにしたい。「同じ製法で作っているのに、作る場所で味が全然違うんです。面白いですよね。いつか県ごとの燻製で全国燻製ギフトセットを作ったら、燻製王になれるかな。」と少し冗談を交えながらも真剣に語る柴田さん。決して自分たちが儲かるためではなく、利用者さんの暮らしを豊かにするために続けてきた太陽農園。利用者さんを一方的に支えるのではなく、利用者さんと共に歩んでいる柴田さんや加藤さん。味でしっかりと勝負をしてきたから消費者はその美味しさに心を動かされるのだろう。そんなkunkunが今回改めて「大分らしさ」を大切にした新しい大分のお土産を作った。金曜日のご褒美に、週末の楽しみに、新しい大分のお土産としてたくさんの人に味わってほしい。

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